ゆずぽんのブログ(仮)

オタクになりきれない虚無な人間の思い出を綴ります

あの日感じたメッセージを確かめるために

 


 こんにちは、ゆずぽんです!

 

 先日、Discordの某鯖で各々が自分の好きなアイマス曲について語り合う機会があり、自分も僭越ながら参加させていただきました。

 一応レギュとしては一人一曲選んだ曲を流し、それについておおよそ15分ほどで発表というものでした。

 

 そこで今回、自分は担当の一人である新田美波の歌う「ヴィーナスシンドローム」についてお話させていただきました。今回お話した内容は大きく分けて以下の通りです。

 

・ヴィーナスシンドローム = 女神症候群とは?

新田美波にとっての女神症候群

・この曲から感じたメッセージ

 

 今回Discordでお話した内容の振り返りも兼ねて今回の記事に記していきたいと思います。自分なりにこの曲について向き合ったものを記していくので、ヴィーナスシンドロームという曲、新田美波という一人の少女について少しでも新たな印象を抱いていただけたら嬉しいです。

(内容の中には全体的に自分個人の拡大解釈が多く含まれているのでご了承ください、あくまで自分なりの1つの答えという位置づけで捉えていただけると助かります。)

 

ヴィーナスシンドローム = 女神症候群とは?

 まず注目して欲しいのがこの曲のタイトル「ヴィーナスシンドローム」。

 日本語に訳すと「女神症候群」とでも表せるでしょうか。

 

 なんでしょう、不穏な響きですね...

 まずはこの「女神症候群」について理解を深める必要があると感じました。

 

女神とはどのような存在なのか

 「女神」には "女性の神" という意味のほか、そこから転じて "周囲から尊敬される女性" という意味で用いられることもあります。そして、神という特別な存在に形用されるように "周囲全てからの評価が非常に高い" という特徴を要しているといえます。

 その評価の基準としては、"容姿" や "振る舞い" というものが代表されます。

 

 ところで、美波もよく周囲から「女神」だと称される描写が多くあります。その理由としても上記の内容が当てはまるかと思います。周囲からの評価が非常に高い子だということに関しては、概ね納得していただけるかと思います。

 

 これを踏まえたうえでここから歌詞を読み解いていきます。

 

1番・女神は恋を知る

 ここからは発表で使用したスライドに沿って歌詞を見ていきたいと思います。

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 まずイントロに続く1番の歌詞、ここではまず少女がある男性に想いを秘めている、ということが示唆されています。そしてその想いはどちらかというと負の感情に振り切っていて、相手との距離感を感じたり自分の理解に及ばないものであることから、少女の初めて抱いた恋心に対して、ためらいやもどかしさを持っているというようにまとめられると思います。

 

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 恋心を負の方向に捉えている少女を、ガラスの檻に閉じ込められているというように表現し、そこから抜け出したい気持ちを表している部分です。そして、ただ抜け出すのではなく、「傷つき」という言葉を挟んでいるところから、恋することで自分が傷つくことを理解したうえでそれでも抜け出したいという気持ちの強さを表していると思います。ガラスという言葉との繋がりも感じられます。

 

2番以降・女神は姿を変える

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 恋に揺れる少女は、2番の歌詞では自分の本心を見せられずにいる様子が描き出されています。これが先ほど紹介した「女神」と称される女性の特徴に当てはまるものであると考えています。少女は女神のように振舞うことに慣れていて、自分でもそこから抜け出せなくなっていることに戸惑いを覚えます。

 

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 2番サビでは1番と打って変わって、天使が登場します。天使が彼女に伝えた内容は、周りに良いように振舞っていた女神の姿とは相反するもので、これまでの自分からの変化を促しているものとも捉えられると思います。そして、熟した果実を求めて羽ばたく鳥という部分は少女の恋を求める姿に比喩されていると思います。(最近おススメされて見たアニメにそれに近い表現があったから多分その影響受けてます)

 

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 Cメロに入ってからは螺旋のプログラムに囁かれていますが、これは1番や2番のサビに登場した女神や天使と対応していて、女神のように振舞ってきた少女の中に眠っていた本能に恋をしてもいいんじゃないかと告げられていた、ということが女神や天使の部分から一連の流れとして表されているものかと思ってます。螺旋のプログラムというワードが特に直接的な表現に置き換わっていますね。

 その後の「抗えない気高さ」は少女の普段の振る舞いを表し、恋に身を委ねる姿との対比を表しているかと思います。自分の演じている姿と本能のままの姿の2つがせめぎ合っている中で、抗えない気高さが尽きたときにもう一つの自分が花開く、という流れをもってラストへと向かうシーンというように解釈しました。

 

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 最後は1番と同じような歌詞が並んでいますが、ここまでの流れを汲んで改めてこの部分に進んだとき、それまでとは違う新たな決意、感情を感じ取れるのではないかと思います。

 鳥が囚われた状態から空を求め、夢を追うといった表現を少女がそれまでの姿を捨て、恋に身を委ねるという強い覚悟に重ねてこの曲を締める、というように解釈しました。

 

歌詞からの解釈まとめ

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 歌詞を細かく振り返り、それをもとに改めて "女神症候群" について以上のようにまとめました。

 特筆すべきは自分の演じた姿と本能の姿の対比、何かのきっかけでそこに揺らぎが現れる、そこからの変化、

 といったところが挙げられるかと思います。

 

 

 これがこの曲の示す答え...と言いたいところですが、自分がこの曲を聴いたとき感じたものにはまた別のものがあると思い、それを探っていくことにしました。

 

 

新田美波にとっての女神症候群

 ここまでで "女神症候群" について、歌詞に基づいて1つの結論を出しました。

 しかし、自分の求めていた結論がさらに他にあると感じ、別の視点でもう一度この曲について考えることにしました。また、そうした理由としては他にも以下があります。

 

1.歌詞中の"少女"を"新田美波"に当てはめたときに若干の違和感を感じた

2.デレステSSR「ノーブルヴィーナス」の存在

 

 まず1に関しては、ソロ曲=そのアイドルを表す内容になっている、という理論を用いて考えた場合、歌詞中の少女=新田美波と当てはめたとして、美波が恋心を秘めていると考えられますが、彼女は同CDのボイスドラマでは「まだ恋愛にはあまり興味がない」という旨の発言をしており、彼女の描写としてもそのような異性との恋に関するものは比較的薄いと感じているのでそこに少し違和感があった、というものです。特にこの曲は1曲目のソロ曲でもあり、そういう方向性に向かうのは違うのかな、と個人的には思っていました。(ただこの理由は理論としても弱いのであまり大きな理由ではないです、恋以外にも二面性だったりその部分に関しては彼女と被る部分も多いと思います)

 

 そして特に理由として大きなものは2の方で、それを軸にこの先の内容を説明したいと思います。

 

[ノーブルヴィーナス]新田美波

 美波のデレステSSRカードに「ノーブルヴィーナス」というカードがあります。

 これは彼女の1枚目のSSRであり、現地点で唯一の恒常SSRです。

 

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 見た目の他にも、実際にセリフを聴いたりするとこの曲と深い関わりがあると感じられる内容が多く、前々から "女神症候群" と美波の関係性を見出せると思ってました。(自分はデレステメインでモバマスの方には深く触れられていないのでそちらでこの曲に関するものを掘ればまた別の考え方も見つかるかもしれませんね)

 

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 特に注目したのが覚醒後のカードの「いつも、光る自分に、気高い自分に憧れていました。」の部分です。

 彼女はとても優等生で、そして何でも全力で妥協することなく物事に取り組む、そんな姿が印象的です。しかし、それを発揮し、自分を満たしてくれるような特別なものに出会えずにいたままという背景もありました。彼女が普段からいろいろなことにチャレンジするのも、そういったものに出会う可能性を広げるためだと話しています。

 

 そんなある日、プロデューサーと出会いアイドルとしての新たなスタートを切ることになりました。そんな簡単に話に乗っかっていくのは危ないよ…

 彼女はアイドルとして活動を重ね、次第にその魅力に惹かれていきます。これまで探してきた自分を満たしてくれる何かが見えてきたのかもしれません。

 

 先程のセリフから続く「このステージの上でなら、自分をアイドルに変えられる。いつか、女神にだってなれるかも。」

 アイドルとして、普段の自分を特別な姿に変える

 それが今の彼女が出した自分を満たす、自分を輝かせるための答えだったのでしょう。

 そして「女神にだってなれる」、アイドルとしての姿を極めたその先に見据える存在としての"女神"、彼女を表す言葉としての1つでありますが、それを聞く彼女自身もステージ上ではその名に恥じることのない崇高で完璧な存在を目指す...

 妥協を許さない彼女はきっとそのような想いを抱えていると思いますし、きっと彼女ならその境地に達してくれると自分はそう思ってます。

 

 というように彼女について自分は受け取りましたが、これが新田美波を表すもう一つの″女神症候群″の形ではないかと思いました。

 

″女神でありたい″という視点から、再び″女神症候群″へ

 上でつらつらと新田美波という女性についてと1つのSSRカードとをリンクさせてつらつらと綴りましたが、それを簡潔にまとめると

 

「光り輝く気高い自分を探し続けている中で見つけた″アイドルとしての自分″にその想いを馳せた」

 といったところでしょうか。

 

 ここから今回の曲に戻りますが、ここまでを振り返って″女神症候群″について美波自身に置き換えると以下のように表せると思います。

 

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 元の女神症候群の意味が上のものであったのに対して、下はより適切に美波自身を表しているのではないかと思いました。
 これをもとにもう一度歌詞を振り返ってみます。

 

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 いきなりCメロに飛びますが、まず「果てなく秘める恋」が自分を光輝かせる場所、きっかけをずっと探していることを指していて、ただ秘めたままでは自分を満たすこともできないと自分自身理解しているといったことかと思います。でもアイドルになるまで「歌えぬ歌」だったのが、今こうしてステージの上で「歌っている」という対比にもなっているのかなと思いました。


 この後のラスサビに続く手前の「抗えない気高さ」は美波の持つ真剣な気持ちであり、抗えないほどにずっと彼女自身が持ち続けた輝きたいという強い想いをここで開かせ、その想いが絶えるその日まで高みを目指し続けるという強い覚悟をもって次の歌詞に繋がっていると思います。(個人的にはここの部分をしっかりと頭に入れたうえでサビを聞くのおススメです)

 

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 ここをアイドルとしてステージに立つことに置き換えたとき、花や舞うといった言葉がアイドルを表すものとして当てはまりそうだなと思いましたが、実際に先ほどの[ノーブルヴィーナス]のイラストを見返したとき、花もあり舞っているようなポーズでもあったりで実際にここの歌詞に寄せて描かれているかもしれないですね。

 

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 「熟した果実の甘さ」というのがもともとはであったのに対して、今回の場合はアイドルとしてステージに立つこと、そこで感じたものを表したものになりそうです。ステージに立つことで様々なものを感じ、満たされた実感を感覚的にも覚えていて、それを一言でまとめて「熟した果実の甘さ」と表した、と考えれば意味としても通るかと思いました。自分はアイドルになったことがないのでそこまでわからないですが。

 そしてそれを知った鳥=美波からのメッセージ「空を、永遠の夢を見せて」で締めくくられ、アイドルとしていろんな景色を見たいという思いが自分には伝わりました。

 

このような感じで、最初に歌詞から読み解いた内容とはまた違うもう一つの"ヴィーナスシンドローム"の姿が浮かびあがりました。自分なりに当てはめた形ではありますが、より美波の一つ目のソロ曲としても解釈としてありかなという感じですね。

 

これからも、美波と共に

 最後に、この曲に込められたと感じたメッセージについて。

 歌詞の最後の部分で「空を、永遠の夢を見せて」という美波のメッセージと表しましたが、実際にこれを聞いて、こんな風に感じてしまったわけです。

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 美波が見たい(やりたい)ものは、アイドルとしてステージに立つことであり、それを叶えることこそが自分達プロデューサーの使命であり、永遠の夢を見たいと彼女が望んでいるのなら自分もそれにずっと応え続けていかねばならない。彼女が誰もに愛される女神の姿としてステージに立つその日が来るまで、はたまたその願いを果たせず思い敗れて朽ち果てる時まで、彼女のその強い意志で共に歩むことを迫られた今、自分は彼女にも劣らない強い意志で共に夢を追い続けることを約束しなければならない。

 ならば、今ここで約束しよう。トップアイドルに、女神にしてみせる。

 

 ぶっちゃけ大袈裟な書き方ですが、実際に美波の担当になって間もないころにヴィーナスシンドロームを聞いてこういった感じで捉えてしまったことがありました。

 思いがけずそのようなメッセージを受けてからますます美波への想いが強くなりましたが、皆さんの中には同じように曲だったりいろんなところでアイドルから受けた強い想いがきっかけで推すようになった、そんな方もおられるのではないかと思います。そういうきっかけは非常に貴重なもので、大事に自分の中にしまって、ときには振り返ってみるのもいいのかなと感じます。

 

 ここまで「ヴィーナスシンドローム」という曲について、発表にあたって自分なりに考えたことや思いを綴らせていただきました。この曲のこと、新田美波というひたむきな素晴らしいアイドルがいることを少しでも知っていただけたなら嬉しいです。

 

あとがき(今回の発表に関して)

 ここからはdiscordでの発表についてです。

 

 まずこの曲を選んだ理由は、ここまで書いた通り担当し始めたころにこの曲を通して美波から強いメッセージを感覚的に受けたことに関して、この機会にこの曲をじっくりと読み直し、それを感覚でなくしっかりと頭で理解しようと思ったからです(あわよくば美波のダイマを...)。

 第2回終わった直後くらいからもうこの曲にしようと思って、早い内から頭の中では構想を練ってました。過去のブログ記事でもヴィーナスシンドロームに衝撃を受けたのでdiscordで後々話します!ってほのめかしていたり...()

kyokop0810.hatenablog.com

 

 そして内容が今回はかなり理論でガチガチに固めたような内容になってしまったわけで...現代文の授業みたいって言われてる方もおられましたが正直ですよねーって感じでした。

 なぜこうなったのかというのも先ほどの通り「感覚でなくしっかりと頭で理解しようと思った」というのがあって、歌詞の解釈の流れなどもしっかり考え込んで、なるべくほつれが出ないように...なんて考えたりするくらいでした。それでもまだ歌詞の解釈がなんとなくしか固まってなくて今回は触れていないところもあったり...

 でも、正直自分は現代文の授業は全科目で一番苦手だし、本当はこういう文章や行間から理論立てて結論を導いていくのってあまりやりたくないんですよねw 数式をガチャガチャいじり回す方が何倍も好きです。それでもやろうと思えたのは、この曲に対する気持ちもありますが、P森でいろいろ聞くうちに自分なりの解釈を語ることに対する戸惑いやハードルが小さくなった、というのもあると思います。少しずつでもいい影響を受けてきたなあと思ってます。

 

 あとは、美波が「自分の輝ける場所を見つけた」という結論を個人的に出しましたが、これに関しては自分も同じようなことを感じたことがあり、それに代表されるのがカラオケです。皆さんの前で歌うことに自分自身もやりがいを感じて、最近はその瞬間に最高のものを出しきることが練習や曲を覚えるモチベーションになっています。そういう背景にも影響されて美波にその姿を重ね、こういう解釈に辿り着いたというのもありますw

 

 そんなこんなで、自分としても満足のいく発表ができてよかったです。ただ、こんなにガチガチに固い発表はもうしないと思いますw 第4回がもしあれば今度はもっとゆるく純粋に好きなことを話していきたいです。

 

 好きの気持ちは結局自分の中の感覚から現れるものであって、考えて考えて決めるものではないと自分は思ってます。でも、たまにはその感覚を理論で紐解く、それもいいなと今回の発表を通して感じました。また同じようにやってみるのもいいですね。ただ他の担当の子でも同じことができるかというとまだ微妙だし、この曲も美波の一曲目であって次にVoyageを考えるとしたらその後の美波の成長を振り返っていかないといけないし...

 

 なにはともあれ第3回お疲れさまでした。皆さんの発表もとても素晴らしくて情熱を分けていただきました。これからも自分のペースでプロデュースライフを楽しんでいきます!

 

 余談ですけど今サイスタでやってるイベ曲の「想いはETERNITY」も今回の自分の内容となんとなく被るところがあって好きです。

 

 

それではまた!